IPA(情報処理推進機構)がPD試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験)の公式サンプル問題として公開している全10問を、シナリオ・問題文・選択肢・正解・解説つきで徹底解説します。
マネジメント区分4問・システム区分6問の計10問は、実際の試験問題と同様の事例ベース形式で出題されており、試験の難易度・問われ方を把握するための最重要教材です。本記事で全問の解法をマスターしましょう。
・IPA公式サンプル問題 マネジメント区分 全4問の解説
・IPA公式サンプル問題 システム区分 全6問の解説
・各問の正解・解説・出題意図の解説
マネジメント区分(全4問)
DX戦略・プロジェクト管理・ITサービスマネジメント・システム監査など、マネジメント全般の実務応用力が問われます。
問1:地域MaaSの推進(Z県)
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Y法人は顧客接点の集約によって移動履歴や滞在時間のデータを高精度で分析し、混雑情報の可視化や運行計画見直しの提案を行い顧客体験価値の向上につなげる。共通APIのサービスを拡大して地域経済の持続可能な成長モデルの実現を目指す。
(一) 各事業者のサービスとの相互連携によってワンストップでサービス提供する。
(二) 各事業者のサービスを垂直統合することによってワンストップでサービス提供する。
(三) 移動・宿泊・観光体験に必要な交通機関や観光施設の業務改革をデジタル技術で最適化する。
(四) 予約・移動・観光体験・決済といった一連の顧客接点をデジタル技術でつなぐ。
(五) 地域MaaSによって、各事業者の業務を効率化し、地域経済の持続可能な成長モデルを実現する。
(六) 地域MaaSによって、顧客体験価値を創出し、地域経済の持続可能な成長モデルを実現する。
選択肢:
- ア (一),(三),(五)
- イ (一),(三),(六)
- ウ (一),(四),(五)
- エ (一),(四),(六) ✅
- オ (二),(三),(五)
- カ (二),(三),(六)
- キ (二),(四),(五)
- ク (二),(四),(六)
正解:エ (一)(四)(六)
Y法人は各事業者の独立性を維持したまま共通APIで連携(相互連携=(一)。垂直統合の(二)は誤り)。デジタル技術で顧客接点をつなぐ(四)。顧客体験価値を創出して持続可能な成長モデルを目指す(六)。
問2:K社のインシデント管理プロセス
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G課長の分析:前月のインシデント100件のうち30件をエスカレーション(全てアプリ関連で開発課へ)。開発課がインシデント再調査で回避策を見つけたものは15件。G課長は15件の回避策発見に着目し、__b__の活動について改善課題があるか否かを調査することにした。
(一) 開発課又は運用チーム (二) 利用者 (三) 運用課の課長
(四) 手順「既知の誤りの調査」 (五) 手順「エスカレーション」 (六) 手順「調査と診断」
選択肢:
- ア a=(一) b=(四)
- イ a=(一) b=(五)
- ウ a=(一) b=(六)
- エ a=(二) b=(四) ✅
- オ a=(二) b=(五)
- カ a=(二) b=(六)
- キ a=(三) b=(四)
- ク a=(三) b=(五)
- ケ a=(三) b=(六)
正解:エ a=(二)利用者,b=(四)「既知の誤りの調査」
インシデント終了時は利用者に連絡して確認(a=(二))。SDが「既知の誤りの調査」段階で見つけられなかった回避策を開発課が15件発見できたことは、この手順に改善課題がある可能性を示す(b=(四))。
問3:A社SaaSの機能追加プロジェクト
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機能追加要望の特性:要望1(多くの顧客から、1〜2年で回収)。要望2(一部の顧客から、3〜5年で回収)。要望3(主に大口顧客の固有要望、費用負担合意があればリリース時に請求して回収)。
X氏はAプロジェクトマネージャとして「予算の範囲での確実なリリース」と「A社の短期的な資金繰りの改善」の二条件を満たすためのプロジェクトの進め方を検討した。
(一) 要望2で利用する意向を示した顧客が少数でもいる要望は優先して実現する。
(二) 運用訓練の期間をこれまでよりも長くして顧客に不具合の有無をしっかりと確認してもらう。
(三) 要望1の要望で利用する顧客が少ないことが分かったがそのまま開発を行う。
(四) 要望3の要望で大口顧客と費用負担に合意した要望は優先して実現する。
(五) 顧客に要件定義に参加してもらって定義した要件が顧客の要望に適合しているかを確認する。
選択肢:
- ア (一),(二)
- イ (二),(四)
- ウ (三),(五)
- エ (一),(五)
- オ (二),(三)
- カ (四),(五) ✅
正解:カ (四)(五)
(四)要望3は費用負担合意済みでリリース時に回収できるため短期資金繰り改善に直結。(五)顧客参加による要件確認は認識誤りを防ぎ確実なリリースを実現。(一)要望2は3〜5年回収で短期改善にならない。
問4:AIチャットボット導入計画のシステム監査(B社)
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開発概要書のテスト工程:3か月分の学習データと教師データを準備して学習させ、想定した結果が得られた場合に本番移行が承認される。
監査チームが想定したリスク(設計・実装・テスト工程):「要求される品質を満たす学習データと教師データを選定、準備して学習させ、結果を評価しないことによって、不適切な回答を生成する。」
整理された監査要点(項番3):「要求品質を満たすための学習データと教師データを準備する計画となっているか。」
選択肢:
- ア 項番(1) PoC工程
- イ 項番(2) 要件定義工程
- ウ 項番(3) 設計・実装・テスト工程 ✅
- エ 項番(4) 本番移行工程
正解:ウ 項番(3)
項番(3)の監査要点は「準備する計画となっているか」だが、対応リスクは「学習させ結果を評価しないことによる」問題です。「学習させ結果を評価する計画となっているか」という観点が欠けており不十分。
システム区分(全6問)
クラウド・ネットワーク・IoT・アジャイル・セキュリティなど、技術的な設計・判断力が問われます。
問1:不動産売買仲介システムのダッシュボード(A社)
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マネージャが現在確認している情報:営業担当者ごとの媒介契約数と自部門全体の媒介契約数の推移を日々確認。営業担当者ごとに各物件の物件ステータスの値の推移を日々確認し必要に応じて指示。自社Webサイトや電話での問合せ件数・他社からの紹介件数・自社WebサイトのアクセスID件数などを日々確認。
営業担当者が確認している情報:折衝履歴件数、媒介契約数、成約率
新システムへの追加機能:「現在の業務で確認している営業担当者ごとの情報」をマネージャがダッシュボードで確認できるようにする。
(一) 媒介契約数 (二) 自部門全体の媒介契約数の推移 (三) 成約率
(四) 各物件の物件ステータスの値の推移 (五) 問合せ件数 (六) 他社からの紹介件数
選択肢:
- ア (一),(二)
- イ (一),(三)
- ウ (一),(三),(四)
- エ (一),(四) ✅
- オ (三),(四)
- カ (五),(六)
正解:エ (一)(四)
「営業担当者ごと」が条件。(一)営業担当者ごとの媒介契約数○。(四)営業担当者ごとに各物件ステータスを確認○。(二)「自部門全体の」で担当者ごとではない×。(三)成約率は営業担当者自身が確認×。(五)(六)は全体データ×。
問2:クラウドECサイトのアプリ無停止切換(A社)
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検証手順:(6)LBの転送先をグループ1(アプリx)に指定→(7)負荷テスト開始→(12)LBの転送先をグループ2(アプリy)に切換→(13)グループ1の仮想マシンを停止→(14)グループ1のイメージを削除→(16)ログから __a__ を確認。
切戻し要件:切換え後に不具合があった場合速やかに切り戻せること。切戻しの妨げになる __b__ の手順を削除する。
(一) アプリxが最後にリクエストを受けた時刻が、アプリyが最初にリクエストを受けた時刻より早い時刻であること
(二) アプリxが最後にレスポンスを返却した時刻が、アプリyが最初にリクエストを受けた時刻より早い時刻であること
(三) アプリxが最後にレスポンスを返却した時刻が、アプリyが最後にレスポンスを返却した時刻より早い時刻であること
(四) (12) (五) (13) (六) (14)
選択肢:
- ア a=(一) b=(四)
- イ a=(一) b=(五) ✅
- ウ a=(一) b=(六)
- エ a=(二) b=(四)
- オ a=(二) b=(五)
- カ a=(二) b=(六)
- キ a=(三) b=(四)
- ク a=(三) b=(五)
- ケ a=(三) b=(六)
正解:イ a=(一),b=(五)
要件②「一つのバージョンのみ」の検証:アプリxの最終リクエスト受信時刻がアプリyの最初のリクエスト受信時刻より早ければ同時受付なしを確認できる(a=(一))。切戻しにはグループ1VMが必要なため手順(13)停止を削除(b=(五))。
問3:橋梁点検IoTシステムのアーキテクチャ(F社)
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G氏の検討:カメラロボット制御に風向・風力データをリアルタイムで使いたいが、診断サーバ上の橋梁情報は__a__がないため使えない。センサーノードに即座に計測して送信する機能を追加。__b__は__c__から要求があると__d__に要求して__e__を受信し__c__に送信する方式にした。この方式は__e__の__a__と__d__の__f__を両立させる。
(一)センサーノード (二)カメラロボット (三)点検制御装置 (四)診断サーバ
(五)橋梁情報 (六)飛行情報 (七)保守性 (八)信頼性 (九)省電力性 (十)即時性
選択肢:
- ア a=(八) b=(四) c=(三) d=(一) e=(五) f=(九)
- イ a=(十) b=(二) c=(三) d=(四) e=(六) f=(九)
- ウ a=(十) b=(四) c=(三) d=(一) e=(五) f=(九) ✅
- エ a=(十) b=(四) c=(三) d=(二) e=(五) f=(七)
正解:ウ a=(十)即時性, b=(四)診断サーバ, c=(三)点検制御装置, d=(一)センサーノード, e=(五)橋梁情報, f=(九)省電力性
診断サーバ上の橋梁情報は1時間ごと送信のため即時性(a)がない。診断サーバ(b)が点検制御装置(c)の要求を受けてセンサーノード(d)に要求し橋梁情報(e)を取得してcに転送。センサーノードの省電力性(f)も維持する。
問4:WebSocketハンドシェイク(A社)
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(一) Upgrade: websocket / Connection: Upgrade
(二) Upgrade: websocket / Connection: websocket
(三) 101 (四) 200
(五) SHA-1 (六) SHA-2
(七) WebSocketを利用可能である (八) なりすましでない
選択肢:
- ア a=(一) b=(三) c=(五) d=(七) ✅
- イ a=(一) b=(三) c=(五) d=(八)
- ウ a=(一) b=(四) c=(五) d=(七)
- エ a=(二) b=(三) c=(五) d=(七)
- オ a=(二) b=(三) c=(六) d=(八)
正解:ア a=(一), b=(三)101, c=(五)SHA-1, d=(七)WebSocketを利用可能である
WebSocketアップグレード応答ヘッダはUpgrade: websocket / Connection: Upgrade(RFC6455)。ステータスコードは101 Switching Protocols。Sec-WebSocket-AcceptはSHA-1で計算。検証で確認できるのは「WebSocketを利用可能」であること。
問5:自動収穫ロボットの状態遷移設計(G社)
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選択肢:
- ア a=異常 b=検出中 c=収穫中 d=積載中 ✅
- イ a=異常 b=検出中 c=積載中 d=収穫中
- ウ a=検出中 b=収穫中 c=異常 d=積載中
- エ a=検出中 b=待機中 c=収穫中 d=積載中
- オ a=待機中 b=収穫中 c=積載中 d=異常
正解:ア a=異常, b=検出中, c=収穫中, d=積載中
動作概要から:移動中の障害物検知→異常(a)。収穫開始位置到達→検出中(b)。トマト検出→収穫中(c)。収穫完了→積載中(d)。
問6:スクラム開発チームの設計(A社)
シナリオを読む(クリックで展開)
スクラムマスターの役割:メンバー全員が __a__ に協働できるように支援・マネジメントする。ペアプログラミングでは __b__ 担うことにした結果、経験と知識を共有することができた。
(一)自律的 (二)組織的 (三)M4がドライバー,M5がナビゲーターを
(四)M4がドライバー,M6がナビゲーターを (五)M4がナビゲーター,M6がドライバーを
(六)M4とM5がドライバーとナビゲーターを交代で (七)M4とM6がドライバーとナビゲーターを交代で
選択肢:
- ア a=(一) b=(三)
- イ a=(一) b=(四)
- ウ a=(一) b=(五)
- エ a=(一) b=(六)
- オ a=(一) b=(七) ✅
- カ a=(二) b=(七)
正解:オ a=(一)自律的,b=(七)M4とM6がドライバーとナビゲーターを交代で
スクラムでは自己組織化チームとして自律的に協働することを重視(a=(一))。アジャイル経験なしのM4と経験ありのM6を組み合わせて交代することで双方向に知識を共有できる(b=(七))。
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