ITIL4 サービスマネジメント 入門学習
SVS・SVC・4ディメンション・SLA/OLA・インシデント/問題/変更管理を学ぶ
ITIL4の概要とサービスマネジメントの考え方
ITIL4(2019年公開)はITサービスマネジメントのベストプラクティス集です。ITIL v2→v3(2007)→ITIL4と進化し、ITIL4ではアジャイル・DevOps・クラウド時代に対応した体系に刷新されました。核心的な考え方は「価値の共創(Co-creation of Value)」——サービス提供者と顧客が協力してアウトカム(成果)を実現するという視点です。
SVS(サービス価値システム)の5構成要素
SVSはITIL4の中核モデルで5要素から構成されます。①指針原則(Guiding Principles):価値重視・現状からスタート・フィードバックを通じた反復的進歩・協働と可視性の促進・全体的な考え・シンプルに保つ・最適化と自動化の7原理 ②ガバナンス:方向付けと制御 ③サービス価値連鎖(SVC):計画・改善・エンゲージ・設計と移行・取得と構築・デリバリーとサポートの6アクティビティ ④プラクティス:34種のプラクティス群 ⑤継続的改善:CIの組み込み
4つのディメンション
ITILサービスマネジメントには4つのディメンション(視点)があり、いずれかが欠けるとサービスが最適に機能しません。①組織と人材:組織構造・文化・役割・スキル ②情報と技術:情報管理・ツール・テクノロジ ③パートナとサプライヤ:外部ベンダーとの関係管理 ④価値ストリームとプロセス:ワークフロー・業務プロセス。この4つのディメンションは常にPESTLE(政治・経済・社会・技術・法的・環境)の外部要因に影響を受けます。
SLA・OLA・UCの3層構造とサービスレベル管理
サービスレベルの合意は3層構造で管理します。SLA(Service Level Agreement)はサービス提供者と顧客が締結する合意書で、可用性・応答時間・MTTRなどの指標を規定します。OLA(Operational Level Agreement)は同一組織内の内部部門間の合意で、SLAを達成するための内部コミットメントです。UC(Underpinning Contract)は外部サプライヤ(委託先)との契約です。重要指標:MTTR(Mean Time To Repair:平均修復時間・短いほど良い)・MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔・長いほど良い)
主要プラクティス:インシデント・問題・変更管理
インシデント管理:サービスの中断を最短時間で回復することが目的。優先度=インパクト(影響範囲)×緊急性(時間的緊急度)で決定。エスカレーションには機能的(専門チームへの引き継ぎ)と階層的(上位管理者への報告)の2種類があります。
問題管理:インシデントの根本原因を特定・除去するのが目的。RCA(根本原因分析)を行い、KEDB(既知エラーデータベース)に記録して同様インシデントへの迅速な対応を可能にします。
変更管理:変更の3分類——標準変更(事前承認済みの定型変更)・通常変更(CABによる審査が必要)・緊急変更(緊急CABで迅速審査)。CAB(Change Advisory Board:変更諮問委員会)が変更のリスク評価と承認を行います。
- SVSの5要素:指針原則・ガバナンス・SVC・プラクティス・継続的改善
- SVC(サービス価値連鎖):計画・改善・エンゲージ・設計/移行・取得/構築・デリバリ/サポートの6活動
- 4ディメンション:組織と人材・情報と技術・パートナ・価値ストリームとプロセス
- SLA(顧客)/ OLA(内部)/ UC(外部サプライヤ)の3層合意構造
- MTTR(修復時間・短いほど良い)/ MTBF(故障間隔・長いほど良い)
- インシデント優先度=インパクト×緊急性
- 問題管理:RCA(根本原因分析)→KEDB(既知エラーDB)に登録
- 変更の3分類:標準(事前承認)・通常(CAB審査)・緊急(緊急CAB)