「高度情報技術試験の参考書はどれを選べばいいのか」「専用のテキストはもう発売されているのか」。新試験の受験を考え始めた方から、こうした声をよく耳にします。
※本試験は当初「プロフェッショナルデジタルスキル試験」という仮称で呼ばれていましたが、2026年10月16日に正式名称が高度情報技術試験に決定しました。
先に結論をお伝えします。2026年9月時点で確認した範囲では、高度情報技術試験に特化した市販の参考書はほとんど見当たりませんでした。とはいえ、参考書がないからといって学習を先延ばしにする必要はありません。この記事では、参考書が出そろうまでの間に使える無料の学習リソースと、それらを組み合わせた具体的な進め方を解説します。
試験制度の詳細は今後変更される可能性があります。最新の情報はIPA公式サイト(IPA 新試験制度のサンプル問題について)で必ずご確認ください。
高度情報技術試験の参考書がまだ少ない理由
高度情報技術試験は、2027年度の開始が予定されているIPAの新しい試験です(試験の概要は「高度情報技術試験とは」で解説しています)。シラバス案は2026年6月に公開されましたが、出題数、合格基準、CBTでの実施方法など、試験の細部にはまだ確定していない部分が残っています。
参考書を作る側から見ると、試験の詳細が固まらないうちは内容を確定させにくいのが実情です。こうした事情から、2026年9月の時点では高度情報技術試験に特化した市販参考書の刊行は確認できませんでした。試験が始まるまでのスケジュールについては「高度情報技術試験はいつから?」にまとめています。
参考書の代わりになる3つの無料リソース
一般的な参考書は、「出題範囲の整理(目次)」「知識の解説」「問題集」の3つの役割を担っています。これらは、いま無料で手に入るリソースを組み合わせることで十分に補えます。
リソース1:IPA公式のサンプル問題
最初に取り組みたいのが、IPAが公式に公開しているサンプル問題です。2026年8月31日には、マネジメント区分とシステム区分の科目Bサンプル問題も追加されました。
本番でどのような形式・難しさの問題が出るのかを肌で感じるには、これ以上の教材はありません。まずは一通り解いてみて、出題のイメージをつかむところから始めましょう。
- IPA 新試験制度のサンプル問題ページ
- 当サイトでの解説:高度情報技術試験のサンプル問題解説
リソース2:区分別の学習ロードマップ
参考書の「目次」にあたる役割を果たすのが、当サイトで無料公開しているマネジメント区分・システム区分の学習ロードマップです。シラバスをもとに学習範囲を整理し、分野ごとの優先度や分野同士のつながりを一目で確認できるようにしています。
ロードマップは、次のような悩みを抱えている方に特に役立ちます。
- 何から手をつければよいのかわからない
- どのフレームワークが重要なのか判断できない
- 限られた時間の中で学習の優先順位をつけたい
シラバスそのものを読み込みたい方は「シラバスVer.0.2 解説」や「科目A-1シラバス解説」も参考にしてください。
リソース3:解説付きの演習問題160問
参考書の「問題集」にあたるのが、当サイトの問題演習道場です。主な特徴は次のとおりです。
- IPA公式問題10問とオリジナル演習問題150問をあわせた計160問
- 内訳はマネジメント区分79問(公式4問+オリジナル75問)、システム区分81問(公式6問+オリジナル75問)。このほか科目A-1(共通知識)の演習問題100問もあります
- すべての問題に詳しい解説付き
- 会員登録不要で、完全無料
- ランダム出題、ジャンル別、間違えた問題だけの再挑戦など、複数の演習モードに対応
科目B対策で大切なのは、正解を覚えることではなく、「なぜその選択肢が正しいのか、なぜ他の選択肢は誤りなのか」を理解することです。解説を丁寧に読み込むことで、判断の根拠を自分の中に積み上げていけます。共通知識の科目A-1を練習したい方は「科目A-1 問題演習」もご利用ください。
既存資格のテキストは役に立つか
高度情報技術試験の出題分野には、既存の資格試験と重なる部分が少なくありません。知識を補強する目的であれば、以下のような既存資格向けのテキストが参考になります。
| 高度情報技術試験の出題分野 | 参考になる既存テキスト |
|---|---|
| PMBOK関連(マネジメント区分) | PMP試験対策テキスト、PMBOK第7版 |
| ITIL関連(マネジメント区分) | ITIL4ファンデーション試験テキスト |
| クラウド関連(システム区分) | AWS/Azure認定試験テキスト |
| セキュリティ関連(システム区分) | 情報処理安全確保支援士テキスト |
ただし、ひとつ注意しておきたい点があります。高度情報技術試験の科目Bはシナリオ型の出題で、知識そのものよりも「状況に応じてどう判断するか」が問われます。既存テキストで知識を固めたら、それとは別にシナリオ型問題の演習を重ねる必要があります。区分ごとの出題範囲は「マネジメント試験の対策」「システム試験の出題範囲」で確認できます。
参考書なしで進める5ステップの学習フロー
ここまで紹介したリソースを組み合わせた、参考書がなくても合格を目指せる学習の流れです。
- サンプル問題で出題傾向をつかむ(約1時間):IPA公式のサンプル問題を一通り解いてみる
- ロードマップで学習範囲を把握する(約30分):区分別のロードマップで優先すべき分野を確認する
- 弱い分野の知識をインプットする(1〜3か月):既存資格のテキストやIPA公式の資料で知識を補強する
- 演習問題を繰り返し解く(継続的に):問題演習道場の160問を反復し、解説をじっくり読む
- 間違えた問題を中心に復習する(直前期):苦手分野に絞って集中的に取り組む
学習計画全体の立て方については「高度情報技術試験の勉強方法」で詳しく紹介しています。
専用の参考書が出たときの選び方
今後、高度情報技術試験に特化した参考書が刊行される可能性は十分にあります。発売された際には、次の3点を確認してから選ぶと失敗が少なくなります。
- シラバスのどの範囲までカバーしているか
- 科目B対策の解説が充実しているか
- 収録されている問題がIPA公式の形式に合っているか
それまでの間は、ロードマップと演習問題を軸に対策を進めるのが現実的です。参考書を待つ時間を、そのまま学習の時間に充てていきましょう。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 市販参考書 | 2026年9月時点ではほぼ見当たらない |
| 代替リソース1 | IPA公式サンプル問題(無料) |
| 代替リソース2 | 当サイトの区分別学習ロードマップ(無料) |
| 代替リソース3 | 当サイトの演習問題160問(無料) |
| 既存テキストの活用 | 知識の補強には有効。科目Bのシナリオ型演習は別途必要 |
専用の参考書がない今だからこそ、無料で使える学習リソースを最大限に活用しましょう。ロードマップで進む方向を決め、演習問題で実践力を磨くことが、高度情報技術試験の合格に向けた近道です。
参考リンク
160問の解説付き問題に無料で取り組める高度情報技術試験 問題演習道場で、今日から対策を始めましょう。