試験情報

高度情報技術データ・AI試験とは?対象者・想定される出題分野・今からできる対策

「データ・AIの区分では何を勉強すればいいのか」「いつから試験が受けられるのか」。高度情報技術試験の3区分のうち、高度情報技術データ・AI試験は公開されている情報がまだ少なく、こうした疑問を持つ方が多い区分です。データサイエンティストや機械学習エンジニア、社内のAI活用推進担当者にとっては、とくに関わりの深い区分といえます。

※本試験は当初「プロフェッショナルデジタルスキル試験」という仮称で呼ばれていましたが、2026年10月16日に正式名称が高度情報技術試験に決定しました。データ・AI区分の正式名称は「高度情報技術データ・AI試験」です(詳しくは正式名称決定の解説記事をご覧ください)。

この記事では、データ・AI区分の位置づけ、想定される出題分野、今のうちに進めておける対策を順に整理します。

最初に押さえておきたい前提

データ・AI区分については、IPAのサンプル問題のページで「準備中」とされており、2026年9月時点では詳細が公表されていません。科目Bのシラバスも、マネジメント区分・システム区分とは異なり、まだ公式には発表されていない状況です。

そのため、この記事で紹介する出題分野や問題のイメージは、公開済みの情報やシラバス案をもとにした「想定」です。確定情報ではない点をご理解のうえ、最新情報はIPA公式サイトで必ずご確認ください。出典:IPA 新試験制度のサンプル問題について

高度情報技術試験の3区分とデータ・AI区分の位置づけ

高度情報技術試験は、次の3区分で構成されています。試験全体の概要は高度情報技術試験とはで解説しています。

区分 主な対象者
高度情報技術マネジメント試験 DX推進、プロジェクトマネジメント、IT統制の担当者
高度情報技術システム試験 クラウド、ネットワーク、セキュリティのエンジニア
高度情報技術データ・AI試験 データサイエンティスト、AIエンジニア、データ活用推進の担当者

データ・AI区分は、デジタル変革の鍵となる「データの利活用」と「AIの活用」を担うプロフェッショナルを認定するための区分と位置づけられます。

想定される出題分野

公開されているシラバス案の内容から、データ・AI区分で出題が想定される分野を5つに分けて整理しました。

1. データマネジメント

  • データ戦略・データガバナンスの考え方
  • データアーキテクチャの設計(データレイク、データウェアハウス、データマート)
  • マスターデータ管理、データ品質管理
  • メタデータ管理

2. 統計・分析手法

  • 記述統計・推測統計の基礎
  • データ可視化(BIツール、ダッシュボードの設計)
  • A/Bテスト、仮説検定
  • 時系列分析・回帰分析の基礎

3. 機械学習・AI

  • 機械学習の種類(教師あり学習、教師なし学習、強化学習)
  • 主要なアルゴリズムの特徴と用途
  • モデルの評価指標(精度、再現率、F値、AUCなど)
  • MLOps、モデルの運用管理

4. AI倫理・ガバナンス

  • AIのバイアスと公平性の問題
  • 説明可能なAI(XAI)
  • AIに関する規制・ガイドライン(EU AI法など)
  • 責任あるAIの実装

5. データ活用の実務

  • データドリブンな意思決定
  • ビジネス課題の定義と、それに対応するデータ分析の組み立て
  • データパイプラインの設計

このうちデータマネジメント、統計手法、機械学習、AI倫理などは、全区分共通の科目A-1のシラバスにも含まれているテーマです。科目A-1の範囲は科目A-1(共通知識)シラバスの解説記事で詳しく整理しています。

科目Aと科目Bで問われそうな内容

他の区分と同じく、データ・AI区分も科目Aと科目Bの2つで構成されると想定されます。

科目 想定される形式 問われ方のイメージ
科目A 知識問題 「XAIとは何か」「CRISP-DMのどのフェーズで何をするか」など、統計・機械学習・データ管理の用語や概念、手法の理解
科目B シナリオ型問題 状況設定を読み、実務上の判断を求められる問題

科目Bは「実務での判断力」が問われる見込み

科目Bについては、データ・AI区分でも実務の判断を問う形式になると想定されます。たとえば、次のような問いが考えられます。

  • あるビジネス課題に対して、最も適した分析アプローチはどれか
  • モデルの評価結果を踏まえて、次に取るべき対応は何か
  • AI活用に伴う倫理的なリスクに、どう対処すべきか

データサイエンスやAIの技術的な知識だけでなく、それをビジネスの文脈でどう使うかを判断する力が求められると考えておくとよいでしょう。他区分のサンプル問題の傾向はサンプル問題の解説記事で確認できます。

マネジメント区分・システム区分との関係

データ・AI区分は、他の2区分と重なり合う部分が多い区分です。

関連する区分 共通する分野
高度情報技術システム試験 クラウド上のデータ基盤、データパイプラインの実装
高度情報技術マネジメント試験 データガバナンス、AI倫理・リスク管理

データ・AI区分を目指す方でも、他区分の基礎知識を身につけておくと理解が深まります。各区分の内容は高度情報技術マネジメント試験の対策、高度情報技術システム試験の出題範囲で紹介しています。また、当サイトではマネジメント区分の学習ロードマップとシステム区分の学習ロードマップも公開しています。

サンプル問題の公開前でもできる3つの対策

データ・AI区分は詳細がまだ見えていませんが、今のうちに準備できることはあります。

対策1:シラバス案で学習範囲の見当をつける

まずはIPAが公開しているシラバス案に目を通し、どのような範囲が対象になりそうかを把握しましょう。区分共通の科目A-1シラバスはすでに公開されており、データ・AIの利活用やAI技術の項目が含まれています。

対策2:統計・機械学習の基礎を固める

科目Aの土台として、統計と機械学習の基本概念はしっかり押さえておきたいところです。Kaggle Learnや統計学の入門教材など、無料で使える学習リソースも充実しています。学習の進め方は高度情報技術試験の勉強法も参考にしてください。

対策3:関連の深い分野の問題演習に取り組む

データ・AI区分と関わりの深い分野の問題を解いておくと、シナリオから判断する「思考の型」が身につきます。当サイトの問題演習道場には、次のような関連ジャンルの問題があります。

  • システム区分:AI・データ活用の基礎に関する問題
  • マネジメント区分:データガバナンス、DXとデータ戦略に関する問題
  • 科目A-1:区分共通の知識を確認できる科目A-1 問題演習

最新情報のチェック方法

データ・AI区分の情報は、今後少しずつ追加されていくと見込まれます。次の2つを定期的に確認しておくと安心です。

  1. IPA公式サイトの試験制度の見直しについてのページ
  2. 当サイト(サンプル問題やシラバスの更新情報を随時掲載予定)。試験の開始時期は高度情報技術試験はいつから?でまとめています

まとめ

確認事項 内容
区分の正式名称 高度情報技術データ・AI試験
主な対象者 データサイエンティスト、AIエンジニア、データ活用推進の担当者
想定される出題分野 データマネジメント、統計・分析手法、機械学習・AI、AI倫理・ガバナンス、データ活用の実務
サンプル問題 2026年9月時点では「準備中」
試験開始の見込み 2027年度(マネジメント区分・システム区分と同時期の見込み)
今できること シラバス案の確認、統計・機械学習の基礎固め、他区分の演習で思考力を磨く

高度情報技術データ・AI試験の詳細が公表されるまでは、シラバス案をもとに基礎知識を固め、問題演習で判断力を鍛えておくのが最善の準備です。情報が出そろってから慌てないよう、共通の科目A-1を中心に今から少しずつ進めておきましょう。

参考リンク

関連分野の問題に今すぐ取り組みたい方は、高度情報技術試験 問題演習道場をご利用ください。解説付きの演習問題で、データ・AIに関わる知識と判断力を確認できます。

最新の試験情報を見逃さない

プロフェッショナルデジタルスキル試験のサンプル問題公開・スケジュール情報をいち早く確認できます。

トップページへ戻る