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IPA試験の再編を解説|新旧の試験区分対応表と高度情報技術試験・データマネジメント試験【2027年〜】

※本試験は当初「プロフェッショナルデジタルスキル試験」という仮称で呼ばれていましたが、2026年10月16日に正式名称が高度情報技術試験に決定しました。本記事では正式名称で統一して表記します(詳しくは高度情報技術試験の正式名称決定についてをご覧ください)。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験は、2027年から大きく姿を変えます。「応用情報技術者試験はどうなるのか」「高度試験はなくなるのか」「新しく始まる試験は何か」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

2026年10月、経済産業省は「情報処理の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」を公表しました。この省令案によって、再編後の試験区分が法令の形で具体的に示されています。本記事では、この省令案の内容をベースに、再編前と再編後の試験区分を対応表で比較しながら、廃止・新設・継続の3つの観点で整理します。

なお、本記事の内容は省令の「案」にもとづいています。最終的な内容は公布される省令によって確定しますので、受験の計画を立てる際は経済産業省・IPAの公式発表もあわせて確認してください。

IPA試験再編のポイントを先に確認

細かい話に入る前に、今回の再編で何が変わるのかを要点だけ押さえておきましょう。

  • 応用情報技術者試験と高度試験8区分が統合され、新しい「高度情報技術試験」(3区分)に再編される
  • 基礎レベルの試験として「データマネジメント試験」が新たに設けられる
  • ITパスポート試験・基本情報技術者試験・情報セキュリティマネジメント試験・情報処理安全確保支援士試験は引き続き実施される

スケジュール面では、改正後の規則の施行日が2027年(令和9年)4月1日とされており、高度情報技術試験そのものは2027年夏〜秋ごろに開始される予定です。開始時期の詳細は高度情報技術試験はいつから始まる?でも解説しています。

再編前後の試験区分 新旧対応表

省令案の別表(改正後)に掲げられている試験区分をもとに、2026年までの試験が2027年以降どのように扱われるのかを一覧にまとめました。左列が再編前、中央列が再編後の試験、右列が扱いの種類です。

再編前(2026年まで) 再編後(2027年から) 扱い
ITパスポート試験 ITパスポート試験 継続
情報セキュリティマネジメント試験 情報セキュリティマネジメント試験 継続
基本情報技術者試験 基本情報技術者試験 継続
(該当なし) データマネジメント試験 新設
応用情報技術者試験 高度情報技術試験 再編
ITストラテジスト試験 高度情報技術試験 再編
システムアーキテクト試験 高度情報技術試験 再編
プロジェクトマネージャ試験 高度情報技術試験 再編
ネットワークスペシャリスト試験 高度情報技術試験 再編
データベーススペシャリスト試験 高度情報技術試験 再編
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 高度情報技術試験 再編
ITサービスマネージャ試験 高度情報技術試験 再編
システム監査技術者試験 高度情報技術試験 再編
情報処理安全確保支援士試験 情報処理安全確保支援士試験 継続

※省令案の別表(改正後)に記載された試験区分をもとに当サイトで整理したものです。

表を見ると、「再編」に該当するのは応用情報技術者試験と高度試験8区分のあわせて9試験で、これらがすべて高度情報技術試験という1つの枠組みに集約されることがわかります。旧高度試験の各区分が新しい3区分のどれに近いのかについては、IPA高度試験の再編|旧8区分の移行先と合格者の扱いで詳しく整理しています。

再編後の試験体系の全体像

2027年以降の情報処理技術者試験(省令案の別表)は、次のような構成になります。

  • 高度情報技術試験
    • 高度情報技術マネジメント試験
    • 高度情報技術データ・AI試験
    • 高度情報技術システム試験
  • 基本情報技術者試験
  • データマネジメント試験(新設)
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • ITパスポート試験

これとは別の制度として、情報処理安全確保支援士試験が引き続き実施されます。

従来は「応用情報技術者試験に合格してから高度試験に挑戦する」という2段階の階段が上位層に存在していました。今回の再編では、この2段階が高度情報技術試験という1つの枠組みにまとめられます。これが再編全体の中でもっとも大きな変化だといえます。応用情報技術者試験との違いについては応用情報技術者試験と高度情報技術試験の比較も参考にしてください。

新しく始まる試験1:高度情報技術試験

高度情報技術試験は、応用情報技術者試験と高度試験を再編して生まれる、新体系の中心となる試験です。省令案では次の3区分が設けられています。

区分 試験の対象(省令案の記載を要約)
高度情報技術マネジメント試験 業務の一体的な企画、情報処理システムの開発・提供に係る業務のプロセス管理
高度情報技術データ・AI試験 データの管理・設計・分析と、それを活用する情報処理システムの設計・活用
高度情報技術システム試験 情報処理システムの設計・開発・管理

いずれの区分も、試験科目は「共通的知識」「専門的知識」「専門的能力」の3つで構成されます。これは、IPAがこれまで公開してきたシラバス案の「科目A(共通知識)」と「科目B(区分ごと)」に対応する形です。共通知識の出題範囲は科目A-1シラバスの解説、区分ごとの内容はシラバスVer.0.2の読み方ガイドでまとめています。試験全体の概要を知りたい方は高度情報技術試験とはから読むのがおすすめです。

新しく始まる試験2:データマネジメント試験

省令案の別表には、もう1つ新しい試験として「データマネジメント試験」が追加されています。

省令案では、この試験の対象を「情報処理システムに活用するデータの管理、設計及び分析並びにこれに係る情報処理システムの活用に必要な共通的基礎知識及び基礎技能」としています。「共通的基礎知識及び基礎技能」という表現から、基本情報技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験と同じく、基礎レベルに位置づけられる試験だと読み取れます。

上位の高度情報技術データ・AI試験とテーマが近いため、データ分野をこれから学ぶ方にとっては入口となる試験になりそうです。データ・AI区分については高度情報技術データ・AI試験の解説もご覧ください。

再編後も継続する4つの試験

今回の再編で影響を受けない試験もあります。次の4試験は、2027年以降も引き続き実施されます。

試験名 位置づけ
ITパスポート試験 IT全般に関する共通的基礎知識を問う試験として継続
基本情報技術者試験 システム開発・活用に関する共通的基礎知識を問う試験として継続
情報セキュリティマネジメント試験 セキュリティ管理に関する共通的基礎知識を問う試験として継続
情報処理安全確保支援士試験 別制度として継続。高度情報技術試験とは共通的知識の免除で連携

受験者が知っておきたい3つの変更点

応用情報・旧高度試験の合格者には経過措置がある

一般に、IPA試験の合格実績は制度が変わっても失効しません。そのうえで省令案では、2029年6月30日までの経過措置が設けられています。応用情報技術者試験や旧高度試験の合格者のうち、合格発表から2年以内の方は、高度情報技術試験や情報処理安全確保支援士試験の「共通的知識」の免除対象に含まれます。

情報処理安全確保支援士試験と共通的知識を相互に免除

情報処理安全確保支援士試験と高度情報技術試験の間には、互いの「共通的知識」を免除し合う仕組みがあります。条件は、合格または基準点到達から2年以内であることです。どちらかの試験で共通的知識をクリアしておけば、もう一方の受験時に負担を減らせます。免除制度の詳細は高度情報技術試験の免除制度まとめで解説しています。

他の国家資格の科目免除にも影響する

再編の影響はIPA試験の中だけにとどまりません。中小企業診断士の第1次試験「経営情報システム」の免除対象は、高度情報技術マネジメント試験と高度情報技術システム試験の合格者に変更されます。なお、旧試験の合格者は経過措置によって引き続き免除の対象となります。

応用情報・高度試験を目指していた方へ

今回の再編により、これまで応用情報技術者試験や高度試験を目標にしていた方の次のゴールは、高度情報技術試験になります。上位の試験が一本化される一方で、3つの区分から自分の役割や関心に合ったものを選べる構成です。まずは各区分の対象範囲を確認し、どの区分を受験するかを早めに決めておくと、学習計画が立てやすくなります。

応用情報技術者試験がいつまで受けられるのかについては応用情報技術者試験の廃止はいつ?影響まとめ、具体的な学習の進め方は高度情報技術試験の勉強法、再編の背景と今のうちにできる準備はIPA試験再編の背景と今やるべきことで紹介しています。

まとめ:IPA試験再編の全体像

項目 内容
なくなる試験 応用情報技術者試験、高度試験8区分
新設される試験 高度情報技術試験(3区分)、データマネジメント試験
継続する試験 ITパスポート試験、基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験、情報処理安全確保支援士試験
施行日(予定) 2027年4月1日
高度情報技術試験の開始 2027年夏〜秋ごろ(予定)

IPA試験の再編によって、上位レベルの試験は高度情報技術試験に集約されます。応用情報技術者試験や高度試験を目指していた方は、高度情報技術試験を新たな目標として、区分選びと共通知識の学習から準備を始めていきましょう。

参考リンク

再編後の新試験に向けた学習は、解説付きの問題を解きながら進めるのが効果的です。当サイトの高度情報技術試験 問題演習道場では、科目A・科目Bの対策問題を無料で演習できます。ログインすれば途中から再開することも可能です。

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